
前回のあらすじ
別府名物でもある“地獄めぐり”を、余す事なく堪能したリリーとカルメン。
本来(現実)ならば、各地獄で出入り禁止を言い渡されてもおかしくない愚行の数々・・・
リリーの奇想天外な言動に、最初こそ戸惑っていたカルメンだったが、七つの地獄を巡り終えた時には、彼女の表情は笑顔へと変わっていた。
ゴン太、悲痛の叫び。天まで届け、ヘルプミー!
リリー達が地獄めぐりをが満喫している一方で、依然として墜落した木から降りられずにいるゴン太。
墜落して丸一日が経ち、徐々に死への恐怖が彼を襲っていた。


ゴン太が神に助けを求めたその時、遠くから僅かに聞こえるプロペラ音。
バババババ・・・


あ、あれはヘリコプター!?
おーーーーい!
こっちだーーーー!助けておくれーーーーー!
救いの手

ババババババババ・・・・
バババババババババババババ・・・

怪我はない!!?大丈夫ーーーーー!?

どこの誰かは存じませんが、サンクスでーーーーす!!!
あれ?
この声どこかで聞き覚えが・・・


ゴンちゃーーーーーーーーん!
もう安心してちょーーだーーーい!
今助けるからーーーーーーーーーー!!!

やっぱり、お前か・・・
絶体絶命のゴン太を救うべく現れた一台の救助ヘリ。
しかしそこから救いの手を差し伸べてきたのは、まだ記憶に新しい“熊本”の旅で同行していた、くま子だった。
彼女がゴン太のピンチを知り得た理由とは一体・・・
赤い糸


ゴンちゃんほんとに無事でよかった・・・
もし手遅れだったらどうしようって、くま子心配で気が狂いそうだったの・・・

あ、ありがとう・・・
それより俺がこんな状況だって、どうして分ったんだ!?

虫の知らせってやつかしら?
くま子が大事にしてるゴンちゃんの“お人形”が、突然戸棚から落ちたの・・・
それで心配になって、ゴンちゃんとの赤い糸を手繰り寄せたら、ここに辿り着いたってわけ!


・・・・。

とにかくここじゃ何だから、ヘリに乗って頂戴!
これまでの経緯
くま子の手により無事救出されたゴン太は、現在の状況に至るまでの経緯を事細く説明していた。
バナグライダーで風に煽られた事や、リリーと離れ離れになった事。
そしてカルメンの事も・・・・

ググググ・・・
そのカルメンて小娘・・・、気に食わない!
気に食わないわーーーー!!!
この子達に近づいて、一体何を企んでるのよ・・・


良からぬことを企んでるのは、お前の方だろ・・・。
それより、あいつら大丈夫かな。

あの子なら無事よ。
それに居場所も、既に掴めてるわ・・・
こんな時のために、予めGPSを仕込んでおいたの!

GPS!?
まさか俺にも・・・ゴソゴソ
やっぱり・・・
何が赤い糸だよ!ただの悪質な“ストーカー”じゃねーか!

そのストーカーに命を救われたんだから感謝しなさい!
爺っ!
このまま、あの子の元に向かって頂戴!

フォッフォッフォ!
かしこまりました、くま子お嬢様!
常人には計り知れない、くま子の彼らに対する執着心。
皮肉にもその奇行のおかげで救助されたゴン太は、リリー達と合流すべく“GPS”が示す場所へと向かう事になった。
続く・・・
うーーー、高すぎて降りられない・・・
お腹もすいたし・・・このままじゃ死んじゃう。
神様ぁーーーー!!!
ヘルプミーーーーー!!!