前回のあらすじ
阿蘇火山博物館で、火山の歴史、阿蘇火山の成り立ちや地形、地質、中岳の火山活動について学んだ三人。
火山トークで盛り上がってたまでは良かったが、火山に感化され過ぎたリリーの「不意打ち噴火アタック」を皮切りに、ゴン太との壮絶なバトルに発展・・・。
長時間に及ぶ拮抗したバトルではあったが、くま子の悪魔じみたサポートにより、リリー完全敗北。
精神的ダメージと蓄積された疲労もあり、一刻も早くホテルで横になりたいというリリーの思いを余所に、まだまだエナジー漲るくま子の提案により、この日は阿蘇の大自然の中でキャンプを張ることになった。

阿蘇の大自然でキャンプ〜くま子のワイルドディナ〜


二人掛かりだったくせに、あんなのインチキだもん・・・
それにあの黒魔術染みた攻撃だってインチキじゃんかーーーー!!!

男のくせにつべこべうるさい子ね。
グズグズしてると、またあんたの人形を燃やしちゃうわよ?
次は容赦無く、灰になるまで・・・


ぬーーーーーーんっ!!!!泣

おい、リリー・・・
くま子がマッチを擦る前に、テント張った方が身の為だ・・・
俺も手伝うからさ・・・
バナナテント
リリーは不満を漏らしながらではあるが、ゴン太の手伝いもあり無事にテントを完成させた。


我ながら”匠の技”が光るデザインに仕上がっちゃったなー♪

鬼の腰巻パンツに引き続き、バナナの素材を余す事なく使ったおかげで、見た目だけじゃなく香りも楽しめて最高じゃんか♪
くま子の奴、俺たちの夢と希望をギッシリ詰め込んだこのテント見たらビックリおったまげるだろうなー!

ん?
そう言えば、さっきからくま子見かけないけど何処か行ったの?

「女にはね、女の仕事があるの♡」って頬を赤らめながら、不気味な笑みで暗闇に消えて行ったけど・・・
まぁ、アイツの事だし心配いらないだろ!

くま子の心配は微塵もしてないけど、なんだろう。
嫌な予感しかしない・・・
数分後、リリーの不安は現実のものとなる・・・。

女狩人

待たせたわね、坊やたち・・・。


お前何処に行って・・・
って、何だよそのズタボロな珍獣達は!!!

今夜のディナーの材料を仕入れてきたの♡
ゴンちゃんの為にくま子張り切っちゃうから、出来上がるまで少し待っててね♡

まさか・・・その腕に抱えてる奴も調理する気じゃねーだろうな?

あら、この子の事?
この子には申し訳ないけど、サバイバルでは貴重なタンパク源・・・
勿論、美味しく頂くに決まってるじゃない!!!


何考えてるんだよーーーーー!この、馬鹿くま子!!!
可哀想に・・・泣いてるじゃんかー!

そうだぞ、くま子?その子も、珍獣達も逃がしてやれ!
俺たちバナナ持ってるし、お前にも分けてやるからさ!なっ!?

ゴンちゃんたら・・・もー優しんだからぁ〜♡
分かったわ。
さぁ、お逃げなさい!私の気が変わらない内に、さぁ早く!!!
魔の手から無事に解放された”謎の生物達”は、リリーとゴンタに軽くお辞儀をして森の奥へと帰って行った。
阿蘇の幻想的な夜景
夕食のバナナで腹を満たした三人は、テントを張った近くにある『かぶと岩展望所』へと来ていた。
この展望所は、大観峰と同じく”阿蘇五岳”と、”阿蘇谷”が一望出来る展望スポットである。
夜になると白色の雲海と、街を彩る明かりが織りなす“幻想的な夜景”を運が良ければ見る事が出来る。


昼に見た大観峰からの景色も良かったけど、ここの夜景は幻想的でまた違った景色だぬ。
アンビリーバボったぬーーーーー!!!

アンタにもここの夜景のが良さが分かる「ロマンチなハート」があった事に私はアンビリったわ・・・。
本当はゴンちゃんと二人でこの夜景をバックに、熱く濃厚なキッスをする予定が台無しじゃないの!!!

勝手に恐ろしい計画企ててんじゃねーよ・・・

まぁ、照れちゃって・・・
ゴンちゃんたら、ほんと可愛いんだから〜♡ツンツンしちゃうぞ〜♡

ツンツン辞めて下さい・・・。
それより明日は火山口に行くんだよな?
楽しみだなリリー♪

うん♪
明日は火山パワーを沢山貰って、ゴン太やさっきの珍獣達をくま子から守ってあげるんだ♪
シュッシュッ!!!


チッ、クソガキが・・・
まぁ、私の恋の炎に焼き尽くされないよう、精々頑張ることね!

うるさーーーーーーい!
明日は僕が勝つんだもん!後悔しても遅いからな、このサイコ女めーーーーーー!
二人の言い争いは小一時間続いたが、ゴン太の仲裁もあり漸く収まりがついてテントに戻ることに・・・。
火山博物館前で激闘の疲れもあってか、三人はすぐに深い眠りへと就いた。
バナナの香りに包まれながら・・・
つづく・・・
辺りも暗くなってきた事だし、この辺にササっとテント張っちゃいましょう!
リリー!あんた、何ボーっと突っ立ってんのよ!
バトルの敗者でもある、あんたが組み立てるのよ!