
前回のあらすじ
熊子の手により、トイレに監禁されていたゴン太とマスオ。
それを発見したリリーの呼びかけで意識を取り戻したゴン太だったが、お仕置きの後遺症として過去の記憶を全て失っていた。
旅をしていたこと、リリー達のこと、自分のことも・・・
その事を利用してゴン太の彼女と言い張る、諸悪の根源、熊子。

マスオに関しても未だ意識が戻らない状態。
二人の身体を気遣ったリリーが下した決断とは・・・
【日本一周の旅】旅の終わりは、旅の始まり〜故郷と仲間の絆〜

あれから数週間が経過・・・
彼らがいたのは、リリーの故郷でもある“ずんぐり村”。(架空の村)
二人の回復を最優先に考え、一旦長崎を離れこの地で休養していたのだ。
ゴン太とマスオは今では身体の傷も癒えて、外で走り回れるほどに回復していた。




なんで俺ばっかり鬼役なんだよ〜!

仕方ないじゃんか〜!
ゴン太、ジャンケン弱いんだもん。

グググ・・・
マスオ変わってくれよーーー!

あっかんべーーーー!
グラバー園の“ハートストーン”の効力により、一時はボーイズラブに発展したゴン太とマスオ。
恋のキューピットも“熊子”の存在に恐れをなして逃げ出したのか、二人にかかった恋の魔法はこの頃には完全に解けていた。
失った記憶


それにしても、熊子みたいな恐ろしい女と俺が付き合ってたのは本当の話なのか?


マスオはアイツの弟なんだろ!?黙ってないで答えろよ〜!

それは熊子の嘘だって何回も言ってるじゃんか〜!
アイツの罠にハマったら、一生抜け出せなくなっちゃうよ?
数週間の療養で傷が癒たとはいえ、ゴン太の記憶だけは未だに戻っていなかった・・・
熊子とリリーの言い分が食い違っているために、マスオに問い詰めるも彼は無言を貫く。
何故ならマスオは姉でもある熊子に脅されているからだ。
口封じ



あんた・・・
またゴンちゃんに変な情報を吹き込んでたでしょ!?
私とゴンちゃんにジェラシー感じちゃうのは分かるけど、私たちは愛し合ってたの・・・
そうでしょ、マスオ?

う、うん・・・

それより、あんた・・・
これからの旅はどうするつもり!?
あれから数週間経つんだから、そろそろ決断の時じゃないかしら?

・・・・。
リリーはこの数週間、今後の身の振り方を迷っていた。
沖縄からスタートした、日本一周の旅・・・
九州一周という目標を掲げて旅をしていたゴン太と“宮崎県”で出会い、その日から二人はずっと一緒に旅をしてきた。
しかしながら、ゴン太は現在記憶を失っている・・・
一人で旅立つのか!?それとも・・・
決断


いっぱい考えたんだけど、ゴン太がこんな状態のまま僕一人で旅を続ける事はできない。
僕にとってゴン太は兄弟みたいなもんなんだ・・・

リリー・・・
俺が記憶を失くす前は、お前と一緒に旅をしてたんだろ!?
だったらこれからも付き合うぜ?

それじゃダメだもん・・・
今は無理して笑ってるけど本当は辛いんでしょ!?
昨日の夜見ちゃったんだ、ゴン太が一人で泣いてるの・・・。


・・・・。

確かに今のゴンちゃんの精神面を考えると、旅の続行は厳しいかもしれないわね・・・
過去の記憶を失うってことは、それだけ辛いはずよ。
私がしっかり支えなきゃ・・・
記憶を失わせた“張本人”にも関わらず、自分の罪を記憶から消し去り、
ゴン太のかけたピースの部分に寄生するという、高難度のストーキング技術・・・。

熊田 久子
彼女の名は、ゴン太の記憶から“未来永劫”消え去る事はないだろう・・・。
今後の展開


だけど旅は辞めない・・・
これからは日本一周じゃなくて、行きたい場所に自由に行くんだ〜♪
そうする事でゴン太にいつでも会えるもん♪にひひ〜♪

一人では旅を続ける事はできない!って、さっき言ったばかりじゃない!
それなのにナゼよ!?

チッチッチ!


もちろん一人じゃないもん。
しばらくの間は、熊子が僕のトラベルパートナーだって事!
今のゴン太と熊子を二人きりにさせられないもん。

冗談はその情けない顔だけにしなさい!
何であんたと二人きりで旅をしなきゃいけないの!

ムムム・・・
僕にそんな意地悪言っちゃいけないんだぞ〜!?
リリーは小さい声で熊子に耳打ちをした。
僕に従わないと、ゴン太に全ての事をバラしちゃうぞと・・・

・・・仕方ないわね。
私もバカンスに行きたいって思ってたところなの・・・。
ゴンちゃんの事も心配だけど、マスオもいる事だし寂しくないわよね?

お、俺は大丈夫だけど、リリーは本当にそれでいいのか!?
それにマスオも・・・

お姉ちゃんと離れられれば・・・
オイラは問題ないよ!

僕の心配もいらないから、ゴン太はこの村でゆっくりしてて♪
二人とも困ったことがあったら、村の仲間を頼っていいからね〜♪
リリーが言う“ずんぐり村の仲間”とは・・・
リリーとゆかいな仲間たち

リリーの合図で出てきたのは、ずんぐりむっくりしたキッズ達。
この村は名前の通り、ずんぐりボディーが自然と集まる神秘の村なのだ。

何か困ったら、この子たちが力になってくれるから。
まだちっこいけど、頼りになるんだぞ〜♪

リリー・・・色々と、ありがとう。
俺が落ち着いたら、また一緒に旅しような!

当たり前じゃんか〜♪
ゴン太とはまだまだ一緒に行きたいところがあるから、早く元気になってね♪
それじゃ僕たち行くね・・・

えっ、もう行くの!?
ったく・・・
ゴンちゃん、しばらくの間お留守番お願いね。ちゅっ・・・♡
マスオもゴンちゃんの事頼んだわよ!?

うん、お姉ちゃんも気をつけてね!

リリー!!!
無事に帰ってこいよーーーー!!!

うん、行ってきま〜す!

苦渋の決断により日本一周の旅にピリオドを打つことになったが、彼の旅はまだまだ終わらない。
ずんぐり村を拠点に、また新しい旅が始まったのだ。
続く・・・
逃げろ、逃げろ〜!
ブイーーーーーーーン!