前回のあらすじ
移動しただけ。
いや他にも何かあるはずだ・・・・。
何度も見直したが、やはり与那国島から万座毛近くのホテルに移動しただけだった・・・。
決意の朝
朝からうるせーなーーー
何がモリモリだよ、もー少し寝させてくれよ・・・
ん〜、おはよ・・・。今、何時ぃ〜？
現在時刻は朝の３時だよん！！！
ニワトリもまだ夢の中でコケコッコしている時間だけど何か文句ある！？
３時って・・・、お前 一体何考えてるんだよ・・・！？
つべこべ言わずに早く起きないと、朝食のバナナあげないぞ〜〜〜！？
クッ・・・・。
ほら、タマも早く顔洗っておいで〜！
は〜い・・・。
リリーに促されて、眠い目を擦りながら渋々ベッドから出たポチとタマ。
彼は何故こんな時間に起きたのか！？それにはしっかりとした意味があったのだ。
旅立ちの報告
リリー達は早朝四時とは言え、当初の計画通り、沖縄を代表する景観を楽しめる「万座毛」へと来ていた。
おい、こんなに暗い時間帯に来ても何も見えないぞ！？
僕たちに何か話があるんだよね？
だって朝が苦手なリリー君が、こんな早くに起きるなんておかしいもん・・・。
リリーは万座毛に広がる高麗芝に、持参したブルーシートをサッと広げて大の字に寝転がり口を開いた。
うん、タマの言う通り君達に話があるんだ・・・。
もう君達も気づいてるとは思うんだけど、僕は全国を回る旅をしていて、いつかは君達とお別れしなきゃいけない。
その日が、明日なんだ・・・。
えっ・・・・。
なんでだよそれ・・・、なんでそんな 大事な事を急に言うんだよ！！！
もっと早く伝えなきゃって思ってたんだけど、僕の中でも色々な葛藤があって・・・。
ごめんなさい。
だけどそのことを伝えた上で、今日を目一杯楽しみたくて・・・。
リリー君が近いうち旅立つんじゃないかってのは薄々気づいてたよ。
だけど現実になる事が怖くて、その事をリリー君に直接聞く事が出来なかった・・・・
ポチもそうだよね？
・・・・・。
だけどやっぱり、明日なんて急すぎるよ・・・。
これまでの思い出
僕だってお別れするのはすごく辛いんだ・・・。
君達とは沖縄に来た初日に出会って、それから色々あったけど一緒に色んな所を回れて本当に楽しかった。
僕が変態ストーカーだという事を隠していた事が原因で、一度は君達と離れる事になったけど、それでも僕を見放さずに追いかけてくれた・・・。
本当に嬉しかった。
君たちがいなければ僕は今頃・・・与那国島の崖から身を投げて、海の藻屑となっていたもん。
あの時は沈んで行く夕陽を見て、ポチとタマに会うことはもう出来ないんだって・・・
すごく悲しい気持ちになったんだ。
僕も与那国島最後の日に、リリー君と似たような気持ちになったから気持ちは凄く分かるよ・・・。
あの時は泣いちゃダメだって自分に言い聞かせたけど、夕日が沈んでいくのを見ていたら、堪えきれずに二人の前で泣いちゃったから・・。
やっぱりそうだったんだね・・・なんとなくそうなんじゃないかなって思ってたもん。このままだと夕陽を見る度に悲しい気持ちになっちゃうじゃない？だから僕なりに考えたんだ。
泣いて過ごした夜もあるけど、朝の始まりはいつだって僕たちは笑顔だった。
だから今度は朝日を三人で見る事で、仮に離れ離れになっても、いつかまた笑顔で会えるんだって・・・。
朝日を見る度にそうやって前向きになれたらいいなって。
だから今日はわがままを言って、こんな早くからここに連れてきたんだ。
リリー君・・・。
そ・・それにしてもまだ四時だぞ・・・！？
朝日はまだまだ昇らねぇーし、早すぎんだろ！！！グスン・・・
まだ暗くていいんだもん・・・。
だってポチとタマの悲しい顔や、泣いてる姿見たら余計辛くなるし、僕の泣いてる姿も見られたくないから・・・。
バカ・・・泣いてねーーーよ！！！
朝は笑顔じゃないと・・・ダ・・・ダメなんだぞ。
みんな・・・元気モリモリですか〜〜〜！？泣
モリモリだバカ野郎〜〜〜！泣
モリモリーーー！！！泣
謎の合言葉を、声が枯れるまで叫び続けた・・・。
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ふぁ〜、よく寝た！！！
ハーイ、二人ともグッモーニン。
ご機嫌いかが〜！？元気モリモリですか〜！？