『妄想じゃ〜に〜。』全国を妄想で旅する企画。これよりスタート
沖縄上陸
この物語は一人の少年が日本全国を旅しながら、各地で様々な人と繋がる『トラベルヒューマン妄想ストーリー』だ。（注：フィクション）
主人公の名前はリリー。
彼は今、人生初の沖縄に来ていた。
世間ではゴールデンウィークの隙間期間だけど、那覇空港には、人がまるでゴミのように大勢いる。
空港から一歩外に出ると、まるで夏のような強い日差しと、心地よい風が彼を出迎えてくれたようだ。
ムスカのように叫び散らかしながら、沖縄の心地よい風を全身で感じているようだ。
沖縄の風はなんて気持ちいいんだろ〜。あー、もっと叫びたいなぁ・・・。
もう辛抱たまらないよーーーーー！！！
彼は初の沖縄ということもあり、興奮を抑えきれずにとうとう空に向かって叫んでいた・・・。
シィーーーーーターーーーーーー！！！！
僕の声はシータに届いたかな？
だけど遠くから、「リリーーー！！！」と呼ばれた気がした・・・。。
気のせいかも知れないけど、彼女はこの沖縄に居るような気がする。うん、そんな気がするぞ！
取り敢えず、彼女の声が聞こえた方角に向かってみるか。
待っててねシータ！！！
二匹のシーサーとの出会い
歩き始めてしばらくすると、リリーの進路を妨げるように現れたシータ二匹のシーサー・・・
（チッ、何だコイツら・・・。物欲しそうな面構えしやがって・・・。）
なんだ君達は！？
希望に満ち溢れた顔でこっちを見るんじゃないっ！シッシッ
何か餌くれ！！！
お腹すいたよー！！！
君達の胃袋事情なんて僕は知らないよ・・・。
それよりシータという女の子がこの沖縄に居るはずなんだけど、何処にいるか知らないか！？
シータ！？
そんな子は知らない。それより何か食べ物くれ！！！
その子の匂いが分かるような物はあるかな？
例えばその子が身につけていた物とか。もしあるなら僕の嗅覚でなんとかなるかも・・・。
本当かい！？これしかないけど、大丈夫！？
・・・そのデッカいズボンは何だ！？
シ、シータがよく履いてたズボンなんだけど、こんな時の為に一枚預かってたんだ・・・。
こんな時を予測してズボン預かるっておかしくねーか・・・・？
そんな事ないもん！
彼女も万が一の為に僕に持ってて欲しいって言ってくれたもん！！！
それよりこれで彼女の場所が分かるんだよね！？
匂いが残ってれば大丈夫だけど、もし洗濯してたら厳しいかも・・・。
もったいなくて、洗濯なんてするもんかっ！！！
「匂い」はしっかり残ってるから、つべこべ言わずに一緒に探してくれ。
もし見つけてくれたらバナナ一本ずつあげるよ。
ほ、本当か！？
やったーー！！！
指切りげんまんだからね！？
こうして二匹のシーサーとリリーは、沖縄全土を視野に入れたシータ捜索を開始したのであった。
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